説難

平和の理

本カテゴリーの最終回にあたり、かねてより予告をしていた論文を掲載する。 「平和を科学的に考察する平和学の構築に向け柱礎として一例を呈す。」 本論の目的とするところは、平和の希求について、立場や環境によって左右される道義的もしくは感情的な観点…

ブレイクスルー

本ブログのテーマの1つは平和学の創設であるが、当初の目論見では経済学のように一般社会の全体の効用(幸福)が科学的思考によって最大化される手法を編み出す学問を嘱望していた。 本筋の見解としては、平和の効用を科学的に証明し、その維持に必要な措置を…

ブレイクダウンⅲ勝者の配当

前回は、戦争における出費面について科学的に検証した。今回は、戦争における収益について検証してみたいと思う。 正直なところ、第二次大戦以降の紛争・戦争において、勝者が明らかな利権・収益を得たと言えるかと言うと甚だ疑問で、考察に値しないと考える…

ブレイクダウンⅱ平和が不都合な人たち

そもそも、本ブログは、韓非子の合理主義の正体である「利益誘導」の有効性を語るものである。平和が利とあらば、人は平和を選択し、戦争が利とあらば、人は戦争を選ぶわけである。 1 戦争の決算書 以前より戦争を経済学的に、いや、もっと論理的に、会計学…

教育は国家百年の大計 最終回《平和》

1 平和主義 国家百年の大計を担う教育とは何かを考えたとき、それは良き有権者を育てることであると私は定義してきた。そして良き有権者を育てる最も適正なテキストは主権者の定義を定めた日本国憲法にあると位置づけこのシリーズを展開してきた。 日本国憲…

ブレイクダウンⅰ守られない約束

「一木一草焦土と化せん。糧食6月一杯を支うるのみなりという。沖縄県民斯く戦えり。県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを。」 沖縄根拠地隊司令官 太田実 太平洋では広島長崎はもちろんのこと、大阪東京など数万人クラスで民間人が殺害された都市が…

平和を画するのであれば、利を用いるのが上策であり、情を用いるとあらばその涙を数えず笑顔を摘むべきである

「ラ・ジャポネーゼ」。知る人ぞ知る、印象派の巨匠クロード・モネの傑作である。 モデルは、彼の妻カミーユ・モネ。彼女は本来黒髪なのであるが、金髪のカツラをかぶっている。西洋人の日本文化への憧れを強調しようとしたのでないかと思われる。 この絵画…

醜さを愛せ

「もし君が、皆が幸せになる世界を築きたいと本気で思うのなら、方法はひとつだ。 (人そのものが持つ)醜さを、愛せ。」 堺雅人主演「リーガル・ハイ(シーズン2)」最終話 人間性は最低だが無敗の弁護士古美門研介(堺雅人)は、世の中の全ての争いをお互いが歩…

ブレイクアウトⅲ 命が深刻な問題でなくなる時

先日、会社の先輩たちと飲んでいて、「知覧」の話になった。 特攻隊機の出撃地として、灯篭・遺書・見送った食堂の女将などの話が有名で、行けば滂沱の涙の流すと、先輩方はたいそうご執心の様子だった。 8歳か9歳のころ、すでにひねていた私は、教師が言…

余桃を喰らわす

北朝鮮との国交樹立 北朝鮮というと、ちんまいくせに偏屈で、面倒な国というイメージが強いが、全世界の80%の国と国交が有ることはご存じだろうか? また、日本では名前を出すだけで嫌がられる金正恩だが、自由主義社会では考えられない残酷な粛清をする…

道祖神

平成も終ってしまいましたね。 という挨拶も、もう遅い時期になってしまった。 実は、本ブログを立ち上げた2018年1月1日から、基本的には2020年のオリンピックの終了時期を目処に、一定の活動を終える計画で、改元の連休はちょうどその中間に当た…

金持ちと喧嘩しよう

世界人口のたった1%の富裕層が世界の総資産の半分を所有しているらしい。 ヨーロッパでもアメリカでも、難民受け入れ問題で大喧嘩をしているが、そもそも、庶民と貧民が、僅かな富を奪い合っているから争いが絶えないのだ。 私は感じている。彼らが貧困とい…

ブレイクアウトⅱ~自衛という名の加害

「楚人に楯と矛を鬻(ひさ)ぐ(売る)者有り 、之を譽めて曰く、吾が楯の堅きこと、能(よ)く陷(とほ)すもの莫(な)きなり。又、其の矛を譽めて曰く、吾が矛の利(と)きこと、物に於(おい)て陷(とほ)さざる無きなり。 在る人曰く。子の矛を以て、子の…

ブレイクアウト〜非合理的な選択

平和学を提唱するのであるから、戦争についても自身の見解を提示しておく必要があると考えているが、なかなか3000文字程度に収める事は難しい。 このため、これまで投稿することがなかったのだが、先日、松本人志と東野幸治がMCを務める「ワイドなショー」…

歴史の勝利

ヨハネス・フェルメール「絵画の寓意」 今回は趣向を変えて、先に絵画を紹介する。 フェルメールは、17世紀オランダの画家で、北欧のモナリザと呼ばれる「真珠の耳飾りの少女」の作者といったほうが有名だろう。 作品名の「寓意(アレゴリー)」というのは、絵…

世界平和という和氏の璧

日本語で「完璧」と書かせると、「完壁(カンカベ)」と書いてしまう人が結構いると思う。むしろその方が、堅固で強力なものを感じるし。しかし、正しくは「完璧(カンペキ)」と書く。さていったいなぜ『壁』と書かず、『璧』と書くのだろう?そして、『璧…

マグナ・カルタ

高校くらいで習うのだろうか?知る人ぞ知る、世界最古の憲法である。 習ったころは、受験のための暗記用語の一つくらいの意識だったが、30歳を過ぎて、立ち読みした本(痛快!憲法学:小室直樹著)から、この法典が、世界最古の憲法と言われる本当の理由を知…