説難

多様性を取り込む_その2

韓非子五十五篇の11「孤憤」とは、法術の士が重臣に妨害されて才能をあらわせないことの憤りを言い、韓非の自著とされる重要な篇である。 ここに、「主の利は労有りて爵禄するに在るも、臣の利は功無くして富貴なるに在り。」との記述が有るが、まさしく、…

死刑にすればいいってもんじゃないんじゃないの?

1 要因 京アニ放火事件の青葉被告の死刑判決が出た。当然の結果であろう。 彼のように既に人生が破綻し、自分の命がさほど重要でなくなったものにとって「死刑」と言う刑罰は、どうやら凶悪犯罪を抑制する効力を失っていることを実感する。 池田小学校の児…

韓非子を非情と言う勿れ

1 非情の思想家 中国の思想家、韓非子は何かにつけて「非情の思想家」と呼ばれるが、それは何故か? 一般的に言われることは、彼は人を信用せず、冷酷で厳格な法律を以って国を統治する強権的な法治主義を唱えたからであると言われている。 しかし、私は彼…

賢者の贈り物

1 Eve クリスマスイブにプレゼントを交換する習慣は、イエス・キリストが生まれる前兆を遥か東方の三人の宗教的司祭が知り、長い旅を経て、イエスの生誕地、ベツレヘムにたどり着き、そこに居た、乳飲み子を抱くマリアの前にひざまずき、その乳飲み子のため…

天下の大事は必ず細より作こる(韓非子:喩老篇)

1 Destiny 「どうしてなの?今日に限って安いサンダルを履いていた」 科学的に考えれば、全ての事象は確率によって支配されている。 全ての結果には原因が有り、この因果関係を逆手に取ると、とある結果を求めるのであれば、その原因を造れば良いことになる…

多様性を取り込む_その1

1 「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」 何度聞いても胸の奥にスーッと風が吹くような言葉だ。 夏目漱石の著書は、文学好きには人気のようだが、結構、長ったらしい割に、何が言いたいのかよく…

初心者でもできる!青色申告で年間30万円の節約(後編)

">1 会計ソフトの可能性 私の実家は会計事務所だった。税理士が少なかった当時では、ちょっと大きめの企業の顧問にでもなれば、安定した収入が得られたであろうが、父は、開業初心者や記帳アレルギーの事業者を連れてきては、その経理を手伝っていた。当然…

初心者でもできる!青色申告で年間30万円の節約(前編)

コロナ禍により蓄積された潜在的消費性向、記録的猛暑、そして18年ぶりのタイガースの優勝も重なり、世はまさに空前の好景気を迎えようとしている。 にもかかわらず、経営者たちは、利益の労働者への還元こそがさらなる利益の増加につながるという資本主義の…

ChatGPTと「惻隠」について議論してみる

1 唯々諾々(いいだくだく)−韓非子_八姦篇 まぁ、いわゆる「言いなり」と言うやつであるが、これも韓非子の出典である。 あまり良い用語として使われないのは、実際に主人の言うことを鵜呑みにして全く反論をしない状況は、主人にとっても従者にとっても不…

王冠を戴くに相応しい者

1 満足した豚であるより、不満足な人間であれ Chapter2の冒頭にあたり、まずは次の表を見てもらおう。 厚生労働省HPよりG7各国の賃金(名目)の推移(1991〜2022年) 世界経済は常に成長を続けている。 私が大学在学当時、中国のことを「遅れてきた巨人」イ…

タートルネックのマドンナ達

1 タートルネック(衣装のデザインで、首に密着する丸く高い襟) ⑴ 103万円の壁 その昔、主婦のパート収入には、103万円の壁というものが存在した。 103万円を超えると、夫の扶養親族として認められず、夫の税金が跳ね上がるため、妻はこの収入を超えないよ…

少子高齢化問題にアバタケカブラ(アブラカタブラ)

1 産めよ増やせよ 最近新聞、テレビ等の報道を見ていてどうしても耳障りな表現が有る。 「高齢化社会を支える為に出生率を上げなければならない。」 じゃあ、これから生まれてくる子供達は、自らの幸福追求よりも、身内か否かも定かでない高齢者の扶養を最…

大器は晩成、大音は希声

Cyndi Lauper 衝撃のファーストアルバム「She's So Unusual」 1 He's so unusual 1980年代、松田聖子・中森明菜を始めとするアイドルが大活躍、チェッカーズがデビューし、日本音楽会は、最盛期を迎えたと言えよう。しかし、そんな邦楽全盛期に負けず劣らず…

God save the loan kingdom 借金王国万歳!!

1 やっぱり異常⁈日本の借金 2023年5月12日 財務省の発表によると「国の借金」と言われるものの、累積額が1,270兆円を超え、ついに人口1億2200万人で割ると、国民一人当たり一千万円を超えることがわかった。一人当たりという事であるから、4人家族の人は、…

LGBTについては話せない

1 名前を言ってはいけないあの人 USJのアトラクションとして大人気の「ハリー・ポッター」。原作はハードカバー7巻に及ぶ長編小説である。この中で主人公ポッターの敵役となるのが、かつて圧倒的魔力により魔法使い達の世(魔法界)を、恐怖のどん底で支配…

韓非子2000年の悲運

1 性善説と性悪説 この言葉についてみだりに論じようとする人は、概ね知識が浅いというのが、私の経験上の印象だ。 性善説とは、「人間の本性は善である。」という考え方で、孔子の儒教路線を汲む、孟子が唱えた説。孟子以後は儒教の中心的思想となった。 …

Castling

1 Castling 韓非子は類稀なる国家運営思想を発案したが、それを君主に伝えることの難しさを強く嘆いている。これが宗廟に籠り、ひたすら世の理不尽を駆逐し、世の民の安寧を願っても叶わない「孤憤」となって記される。しかし、その強烈な憤激と既存の概念…

Article 9

1 「Article9」(アーティクルナイン) 今年の1月から日本は国連安保理事会に非常任理事国として参加することになっている非常任理事国は、各国の各ブロックから1国が投票等で選出されるわけであるが、アジア太平洋ブロックから日本はこれまで12回選出…

手製の銃弾が残したもの

1 銃による暗殺 2022年(令和4年)と言う年を締めくくる上でどうしても外せない話題がある。 今年7月、まさに日本では考えられない暗殺事件が起きた。 殺害されたのが元首相であると言う衝撃も強かったが、多くの人は、日本では歴史上初となる「銃」による凶…

アイディアの不確定性

1 ハイゼンベルグの不確定性原理 量子力学と言うものは厄介なものだ。ようやく宇宙開闢の謎を解いたかと思ったら、その解法から無数の疑問点が現れる。 例えば、この宇宙を構成している素粒子と呼ばれる最小単位の粒子を突き止めたかと思えば、その素粒子は…

日朝国交回復

私は約15分のプレゼンで、現在の世界地図を塗り替え、現在の不穏・不安定な東アジア、あるいは環太平洋、場合によっては、地球規模の安定的平和を期待させるアイディアを持っている。 作戦名「最初はペー!」北朝鮮と日本の国交回復である。 おそらく多く…

王様は裸だ

1 インボイス制度 消費税は、売上の中で消費者から預かった消費税から、仕入や外注費など原価にかかった消費税(仕入れ税額控除と言う)を差し引くことで、国に納める消費税額を申告する。 インボイス制度と言うのは、令和5年10月1日から導入されるもので、簡…

Reboot

"> 諸事情があって休筆していたが、昨年10月からブログを再起動していた。全体の構想の第2編にあたるので、同じアカウントのサブブログに掲載していたが、掲載ワードの差が段違いなので、いくら新しい投稿をしても、こっちのアクセスの方が多いことになん…

Gjallarhorn

1 ブログトップページ 昨年10月3日、本編を完結させた時点でこのブログを更新するつもりはなかった。 しかし製本版の出来の良さに、つい夢を描いてしまい、つまらない二稿を追加してしまった。それから半年間、とある事情でブログを更新していなかった。…

ようやく”note”への移転掲載を始めました

1 ”note"への移転掲載開始について 正月の投稿から5か月近く経っていますね。 実は、3月までTOEICにチャレンジすべく勉強していたのですが、これが予想外に難敵で、こちらの方まで全く手が付けられなかった次第で。 このチャレンジについては、いろ…

蟻の一穴

あけましておめでとうございます。 昨年10月にブログを完結させた後、当該ブログを製本化するためにいろいろチャレンジしてきた。 ただ、ブログとしては完結しており、なんら投稿することもない。閲覧カウンターは減っていくが、当然だ。そもそも、もっと、…

韓非の空

事は密を以て成り、語は泄るる(もるる)を以て敗る 《韓非子55篇 説難篇》 前半を聞いたことがない人は珍しいだろう。そして、この言葉もまた韓非子の出展であることを知っている人は珍しいだろう。 大変思い入れのある言葉で、当然序盤で紹介したいと思…

片雲の風

月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり、(中略)予も、いづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂泊の思ひやまず。 勤務先の同じ部署の仲間と「格安!奥の細道ツアー」に参加した時、学生時代、無理くり、松尾芭蕉翁著の「奥の細道」を暗記させ…

主権の鼎

パブロ・ピカソ「ラス・メニーナス」 本ブログの最初に取り上げた中世スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスの作品を、かの有名なパブロ・ピカソがオマージュしたものである。 私は、東京都美術館で初めてこの作品に出合った時、震えが止まらなくなり、そ…

平和の理

本カテゴリーの最終回にあたり、かねてより予告をしていた論文を掲載する。 「平和を科学的に考察する平和学の構築に向け柱礎として一例を呈す。」 本論の目的とするところは、平和の希求について、立場や環境によって左右される道義的もしくは感情的な観点…