説難

五蠢

秦の始皇帝は、韓非子55篇の内、孤憤・五蠹(ごと)の篇を読んで、いたく感激し、この人に会って直接話すことができたら死んでも良い、と漏らしたという。 両篇、特に五蠢篇については、韓非子の法治理論・合理主義と並んで、「どのような素晴らしい献策も君…

夫れ火は形厳なり、故に人灼(や)かれること鮮(すくな)し。水は形懦(だ)なり、故に人溺るること多し。

新型コロナによる混乱を利用して詐欺を働いたり、空き巣を働く者が居るらしい。 悲しい事だ。 阪神淡路大震災の時は、火事場泥棒が現れない日本の事を世界は称賛したものなのに。 江戸時代の火事場泥棒は、即刻市中引き回しの上、磔(はりつけ)になったとか…

合理主義

本ブログの柱の一つは、諸子百家の中でいまいちメジャーになりきれなかった韓非子について、その魅力を紹介するというものだ。そこで、彼の主張を紹介すると同時に、皆が聞いたことのある故事成語や説話が、実は韓非子の出典であることをアピールしてきた。…

象箸玉杯

先日、ブログを読んでくれた読者から、「結論が唐突過ぎる時が有る。」との指摘を受けた。 確かに読み返してみると、全体的に何の話をしたいのかわからないまま話が進み、突然主張したいテーマが現れるケースが見受けられた。 現在、最終装丁に向けて、第一…

良薬は口に苦し忠言は耳に逆らう

韓非子55篇 外儲編 大変有名な言葉なのだが、その割には由来がはっきりしていない。それでも実は古典に活字として登場するのは韓非子55篇が最初である。 この言葉については、よく勘違いされているところで、「確かに正露丸は、本当に適法な成分で構成されて…

三人市に虎を成す~2200年前のフェイク

韓非子55篇 内儲説 上 龐恭(ほうきょう)は太子の供をして邯鄲(かんたん)へ人質として向かうことになった。 そこで魏王に言った。今、一人の男が、街に虎が出たと言ったら、王は信じますか、と。王は、信じない、と答えた。では、二人の男が、街に虎が…

寸法書を取りに戻るマヌケ

韓非子55篇 外儲説篇 左上 経二 「鄭人且(まさ)に履(くつ)を買わんとする者有り - 寧(むし)ろ度を信ずるも、自ら信ずる無きなり。」 鄭の人で履(くつ)を買いに行こうとする者がいた。 まず自分で足の大きさを計り、その寸法書を作ったが、座席に置い…

余桃を喰らわす

北朝鮮との国交樹立 国交樹立に当たり問題とされる事項と反駁 韓非子55篇[説難]余桃の罪 先んずれば制す 北朝鮮との国交樹立 北朝鮮というと、ちんまいくせに偏屈で、面倒な国というイメージが強いが、全世界の80%の国と国交が有ることはご存じだろう…

道祖神

平成も終ってしまいましたね。 という挨拶も、もう遅い時期なってしまった。 実は、本ブログを立ち上げた2018年1月1日から、基本的には2020年のオリンピックの終了時期を目処に、一定の活動を終える計画であり、改元の連休はちょうどその中間に当…

ブレイクアウトⅱ~自衛という名の加害

「楚人に楯と矛を鬻(ひさ)ぐ(売る)者有り 、之を譽めて曰く、吾が楯の堅きこと、能(よ)く陷(とほ)すもの莫(な)きなり。又、其の矛を譽めて曰く、吾が矛の利(と)きこと、物に於(おい)て陷(とほ)さざる無きなり。 在る人曰く。子の矛を以て、子の…

Legal mind 《法的思考》

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 2019年 最初の投稿では、韓非子の主張の中でも「説難」に並び、あるいはそれ以上に重要かつ根源的と言える「法」についての考察を取り上げ、いくつかの韓非子に対する誤解を解きたいと思いま…

形名参同

私の勤務先では、半期ごとに、職員が自ら三つの業務目標をたて、半期末にその達成率を自己申告する制度がある。 聞くところによると、十数年前、年功序列の牙城のようだった我が組織が、業績重視に転換を図る際、どこかの民間企業で採用されていたものを登用…

世界平和という和氏の璧

韓非子 和氏篇の一説 ストーリーはありきたりだが、日本語の「完璧」の語源となる話で、完璧の「ぺき」をなぜ『壁』と書かず、『璧』と書くのか、その由来だと聞くと、興味を持ってもらえるだろうか? 春秋戦国時代は楚の国、文王統治の時、山麓で三日三晩泣…

巧詐(こうさ)は拙誠に如かず

「韓非子 説林上」に掲載されている逸話。息子を殺されても主君のために戦った将軍は忠信が巧妙すぎたことが仇となり、翻意を疑われ、小鹿を哀れんだ凡庸な家来が重用される。というもの。 才、運足らず、出世が遅れている私などは、つい後者の事例にあやか…

善く吏たる者は徳を樹う

4月に入ってから、ある事案をきっかけに上司との関係に小さな亀裂が入り、修復を心掛けて、細心の注意を払っていたのだが、5月の連休明けの事案で、決定的なミスを犯し、とうとうキレられてしまった。 おかげで、とてもふさぎ込み、ブログのほうは更新する…

想像

「百聞は一見に如かず」とは、古今を通じて名言だと思う。 先日、家族で香港・マカオに行ってきた。 ちなみにうちはそんな金持ちではない。10数年ぶりの家族旅行だ。 海外に限らず、旅行をすると、この「百聞は一見に如かず」を圧倒的に痛感できる。 インタ…

説難

中国の古典、韓非子55篇のうちの一篇で、どのような良いアイディアでも、権力者に受け入れてもらうまでには様々な障害があり、場合によっては身の危険を伴うこともあるということを説く篇。 【参照】諸子百家争鳴 - 韓非子(かんぴし) 20巻55篇 - 生没年:…