説難

Borderline

中学高校とひょんなことで馬が合った不良グループと付き合っていた。 人とは違う経験をさせてくれるとても大切な友人たちだった。 兄の影響でサーフィンを始めた。運動がまるでできなかった私だが、なぜかこいつだけは必死で打ちこめた。当時不良少年とサー…

碩学の砦

「民意が全てを決めるなら、こんなに格式ばった建物も権威づいた手続きも必要ない。」 堺雅人主演「リーガル・ハイシーズン2」。死刑判決を受けた世紀の悪女を弁護するため、どうにか控訴審まで持ち込んだ最高裁で彼は叫ぶ。 ちなみに、彼の言う格式ばった…

夫れ火は形厳なり、故に人灼(や)かれること鮮(すくな)し。水は形懦(だ)なり、故に人溺るること多し。

新型コロナによる混乱を利用して詐欺を働いたり、空き巣を働いたり者が居るらしい。 悲しい事だ。 阪神淡路大震災の時は、火事場泥棒が現れない日本の事を世界は称賛したものなのに。 江戸時代の火事場泥棒は、即刻市中引き回しの上、磔(はりつけ)になった…

ブレイクダウンⅱ平和が不都合な人たち

そもそも、本ブログは、韓非子の合理主義の正体である「利益誘導」の有効性を語るものである。平和が利とあらば、人は平和を選択し、戦争が利とあらば、人は戦争を選ぶわけである。 1 戦争の決算書 以前より戦争を経済学的に、いや、もっと論理的に、会計学…

新型コロナウィルス

新型コロナウィルスについては、2月の27日わが組織において、運用上の大きな動きが有った時から原稿を書き始めた。 しかしながら、当初明らかに大げさだと言う考えを持っていたところから、状況は日々変化し、現状では当時の目算とはまるで違う状況が展開さ…

フェミニズムの帰結_後編《本能》

前回、本稿の前編で、女性には、「経済的に許す限り、外で働くより、自分の子供は自分で育てたい。」という本性が有ると説いた点について、妻に話したところ、「そういう人が多いことは事実だと認めるが、「本性」という表現は気に入らない。「本音」と言う…

合理主義

本ブログの柱の一つは、諸子百家の中でいまいちメジャーになりきれなかった韓非子について、その魅力を紹介するというものだ。そこで、彼の主張を紹介すると同時に、皆が聞いたことのある故事成語や説話が、実は韓非子の出典であることをアピールしてきた。…

象箸玉杯

先日、ブログを読んでくれた読者から、「結論が唐突過ぎる時が有る。」との指摘を受けた。 確かに読み返してみると、全体的に何の話をしたいのかわからないまま話が進み、突然主張したいテーマが現れるケースが見受けられた。 現在、最終装丁に向けて、第一…

教育は国家百年の大計 最終回《平和》

1 平和主義 国家百年の大計を担う教育とは何かを考えたとき、それは良き有権者を育てることであると私は定義してきた。そして良き有権者を育てる最も適正なテキストは主権者の定義を定めた日本国憲法にあると位置づけこのシリーズを展開してきた。 日本国憲…

ブレイクダウンⅰ守られない約束

「一木一草焦土と化せん。糧食6月一杯を支うるのみなりという。沖縄県民斯く戦えり。県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを。」 沖縄根拠地隊司令官 太田実 太平洋では広島長崎はもちろんのこと、大阪東京など数万人クラスで民間人が殺害された都市が…

フェミニズムの帰結_前編《本性》

役割分担のテーゼ 現職大臣が育児休暇を取ることになって、少し話題になってきているが、実は日本の育児休暇制度の水準は世界的には最高水準である。 しかし、その取得率は6%以下で、いまだに、女性社長の比率も女性国会議員の比率も先進国中最低レベルで…

良薬は口に苦し忠言は耳に逆らう

韓非子55篇 外儲編 大変有名な言葉なのだが、その割には由来がはっきりしていない。それでも実は古典に活字として登場するのは韓非子55篇が最初である。 この言葉については、よく勘違いされているところで、「確かに正露丸は、本当に適法な成分で構成されて…

平和を画するのであれば、利を用いるのが上策であり、情を用いるとあらばその涙を数えず笑顔を摘むべきである

「ラ・ジャポネーゼ」。知る人ぞ知る、印象派の巨匠クロード・モネの傑作である。 モデルは、彼の妻カミーユ・モネ。彼女は本来黒髪なのであるが、金髪のカツラをかぶっている。西洋人の日本文化への憧れを強調しようとしたのでないかと思われる。 この絵画…

人生万事塞翁が馬

結局、息子は今年就職したばかりの会社を辞めることになった。 当然親としては、この先の不安を抱かずにはいられないが、彼の言い分を聞く限りではあるが、会社側にも問題が有るように思われたので、受け入れることにした。 息子が会社の不満を言い始めたこ…

三人市に虎を成す

韓非子55篇 内儲説 上 「龐恭(ほうきょう)は太子の供をして邯鄲(かんたん)へ人質として向かうことになった。 そこで魏王に言った。今、一人の男が、街に虎が出たと言ったら、王は信じますか、と。王は、信じない、と答えた。では、二人の男が、街に虎…

大卒

エリートたる者 今春に就職したばかりの息子が、転職を考えているそうな。 娘の場合もそうだったが、就職初年度というのは、覚えることも多く、仕事の成果は上がらず、時間が全く取れず、疲ればかりが溜まり、相当に精神的に追い詰められることがある。 ここ…

Bushido

「日本の侍は夜討ちをする時も、相手の枕を蹴飛ばし、相手を起こしてから斬るんだ。」役所広司主演、映画「山本五十六」より、真珠湾攻撃に際し、米国への宣戦布告が必ず攻撃開始前に届けられることについて念を押す場面。 いかにも軍神山本五十六らしい言葉…

教育は国家百年の大計5:教育

表題の言葉は、そもそも租税教育のエピソードを紹介する際に使用したのがきっかけだが、もとより好きな言葉のうちの一つである。 私は、この表題をそのエピソードだけで終わらせたくなく、シリーズ化することを考えた。 言葉の通り、「教育」とは国家の根幹…

醜さを愛せ

「もし君が、皆が幸せになる世界を築きたいと本気で思うのなら、方法はひとつだ。 (人そのものが持つ)醜さを、愛せ。」 堺雅人主演「リーガル・ハイ(シーズン2)」最終話 人間性は最低だが無敗の弁護士古美門研介(堺雅人)は、世の中の全ての争いをお互いが歩…

寸法書を取りに戻るマヌケ

韓非子55篇 外儲説篇 左上 経二 「鄭人且(まさ)に履(くつ)を買わんとする者有り - 寧(むし)ろ度を信ずるも、自ら信ずる無きなり。」 鄭の人で履(くつ)を買いに行こうとする者がいた。 まず自分で足の大きさを計り、その寸法書を作ったが、座席に置い…

君死にたもうことなかれ

過日、当ブログで、「命は、地球より重い?」そんなことは幻想で、命は時として紙のように軽くなるし、悲しい中学生にとって、命は五分の魂より軽い。とコメントした。 その後、夏休み明けを悲観して、この9月1日に自殺する子が多いという記事を何度か見た…

権利の行使は野卑であってはならない

香港のデモはエライことになっちゃっていますね。 去年銀婚式を祝して、家族で香港・マカオに行った。 香港を選んだのは、香港自治政府(正しくは香港行政会議)の要職が、中国本土の指名者に限定されるなど、急速に中国の影響力が上がっており、いずれ私た…

ブレイクアウトⅲ 命が深刻な問題でなくなる時

先日、会社の先輩たちと飲んでいて、「知覧」の話になった。 特攻隊機の出撃地として、灯篭・遺書・見送った食堂の女将などの話が有名で、行けば滂沱の涙の流すと、先輩方はたいそうご執心の様子だった。 8歳か9歳のころ、すでにひねていた私は、教師が言…

ネット長者達の黄昏

1 労働価値説 2 ネットビジネスの複雑骨折 3 独占と寡占 4 公正取引委員会 1 労働価値説 商品の価格は通常原材料+付加価値+純利益によって定められる。このうち付加価値を決めるものは、その商品を完成させるまでに注ぎ込まれた「労働の量」によって決…

余桃を喰らわす

北朝鮮との国交樹立 北朝鮮というと、ちんまいくせに偏屈で、面倒な国というイメージが強いが、全世界の80%の国と国交が有ることはご存じだろうか? また、日本では名前を出すだけで嫌がられる金正恩だが、自由主義社会では考えられない残酷な粛清をする…

道祖神

平成も終ってしまいましたね。 という挨拶も、もう遅い時期になってしまった。 実は、本ブログを立ち上げた2018年1月1日から、基本的には2020年のオリンピックの終了時期を目処に、一定の活動を終える計画で、改元の連休はちょうどその中間に当た…

教育は国家百年の大計4:勤労

「つまらない誓いをたてちまったもんだよ。働きたい者には仕事をやるだなんて……」宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』湯婆婆のセリフ。 この作品の世界観では、働かない者は、酷いことに、豚にされて食べられてしまう。しかしその反面、前述のセリフの通り、働く…

象徴(シンボル (symbol))

新元号が発表されるといよいよ大騒ぎになり、私自身言いたい事も溢れるだろうから、その前に投稿しておこう。 「象徴天皇」とはどういうものであるか、今上天皇はずいぶん心を砕かれて考え続けたという。しかし、「その地位はその総意に基づく」とされた私た…

金持ちと喧嘩しよう

世界人口のたった1%の富裕層が世界の総資産の半分を所有しているらしい。 ヨーロッパでもアメリカでも、難民受け入れ問題で大喧嘩をしているが、そもそも、庶民と貧民が、僅かな富を奪い合っているから争いが絶えないのだ。 私は感じている。彼らが貧困とい…

情操教育

娘は、親に似ず学業に秀で、順当に進学し、志望通り大手企業に就職した。 初年度はたいそう楽しげであったが、2年目に入ると、大手の宿命として、高給に見合う成果を求められるようになり、苦しいきついとこぼすようになった。 人は、成績に追われると、ク…