説難

蟻の一穴

あけましておめでとうございます。

 

 昨年10月にブログを完結させた後、当該ブログを製本化するためにいろいろチャレンジしてきた。

 ただ、ブログとしては完結しており、なんら投稿することもない。閲覧カウンターは減っていくが、当然だ。そもそも、もっと、他の人のブログにお邪魔してコメントを残すなり、☆を交換するなりして来ればよかったのに、「筆力だけで、閲覧者が増えれば。そうでなければ、製本だけでもできればよかろう。」程度の考えでは、「伝えたい。聞いてほしい。」という感情としては、温度が低すぎる。

 そんなあきらめムードを抱えながら、作業を進めていた。

 

 昨日、紅白歌合戦で、多くのアーティストが、「コロナ禍の中、自分たちに何ができるのか?」を問うたという。影響力の有る人たち有る人たちで、大変なんだなあ、と感心した。と同時に、改めて、影響力の有る人たちへの憧れを強く感じた。

 

 「蟻の一穴」でも掘り続けてみるか。もう少しもがいてみようと思った。

 

《蟻の一穴》

 どのような鉄壁の防御・対策も、ほんのわずかな不注意や油断から崩れ去るという意味の有名な慣用句であるが、これも韓非子の出典である。

 韓非子55篇喩老篇「天下の難事は必ず易きよりなり、…千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴を以て潰(つい)ゆ」

 

 しかし、私はこの教訓について、難事の兆候や、油断禁物という風に捉えるより、むしろ、逆の立場、すなわち攻める方の立場から考え、「大事を成すのに、必ずしも、強力な武器や大きな組織のバックアップが必要とは限らない。小さなチャレンジが大事を成すに至ることもある。そして、今の時代、それは、かつてよく語られたアメリカンドリームよりずっと現実味がある。」と捉えている。

 

 現在、私の蟻は、以下のようなところを掘っている。

 

 当はてなブログは、自分のブログを製本化してくれるMyBook.jpというサービスと連携している。現在のところこれを利用して、試作品の作成のため、推敲と編集を繰り返してきた。  

 このサービスのありがたいところは、製本後のイメージをPDFファイルで確認し、何度でもやり直すことができることだ。以下はこの中で表紙の部分だけを印刷して別の本にかぶせて作ってみた完成本のイメージである。

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 製本費用が、ページ数によって変わるため、右のB5版の方が、圧倒的に原価が安い。しかし双方娘に見てもらったところ、B5版は、まるで資格試験のテキストのようだと揶揄されてしまった(実は表紙の内側は、私が学べども学べどもまるで手が届かず、夢に終わった簿記1級試験のテキストである(^_^*))。やはり読本と言えば、左のB6版だろうという意見だった。

 そこで、ページ数を減らすため、あれやこれやと工夫を重ねたり、推敲を繰り返したりしてきた。

 

 本来であれば、10月にブログを終了した時点で、次の目標が決まっており、それに向けて傾注していくため、製本化については片手間の作業として行い、年内には試作品あるいは完成品を手に入れる予定であった。

 しかし、実はこれに先立って、「提出を受けた原稿は必ず読む。」と言う出版社に提出するために、初稿から全て読み直し、かなりの推敲を重ねて、更にWordに移し変えて提出するという作業をしていた。

 なお、提出の際、2、3の質問を付したが、それには即日回答をいただいた。この中で、「商業出版の可能性はあるか?」と言う質問もしていたが、これについては、「当社はそれを受け付けていない。」と言う回答であった。その後2ヶ月近く経つが、1番欲しかったプロの編集者さんからの感想や総評は全くいただけず現在に至っている。

 

 そのような事情で、写真の通り、中身までは完成することができなかった。

 ただ、おかげで、フォントや書式の違いに気づかせてくれたり、前述の大推敲では見つけることができなかった細かい誤りをいくつも見つけることができた。

 ようやく、昨年末にそれらの作業終えて、これ以上の減量は、稿そのものを落とす以外ないと言うところまで絞り込むことができた。

 現在MyBook.jpが年末年始休みに入っているので、休み明けに試作品の発注をかけるつもりである(休み中もオンラインで発注は受付けてくれているが、代金の支払いなどややこしいことになったときに困るので休み明けを待っている)。

 

 しかし、これでも原価は一冊3,200円だ。

 

 公務員なので、営利を目的とした著作の販売は、副業規定に抵触し、届出が必要である。しかし1冊も売れていないのに届け出るのはばかばかしい話である。

 だから、利益を目的として販売するつもりはないのだが、ぜひ欲しいと言う人がいてくれたら、差し上げたいと思うのは当然である(例えば、ブログ中に登場する主治医の先生は、完成の際には是非一冊いただきたいと言ってくれている)。

 かといって、欲しいと言ってくれる方には無料で配布するなどと宣言すると、冷やかしで注文してくる人たちがいたりして、こちらが負う赤字がとんでもないことになってしまう。多少なりとも値段を設定せざるを得ない。  

 当初の目論見では、もう少し原価が安くて、一冊300円くらいで、数十冊、ネットオークションに出そうかと思っていたのだが、原価がこの単価では厳しい。売価を600円〜800円に設定して、希望者のハードルを引き上げる必要があるが、それで注文者がゼロになったというのも寂しい。まあしかし、それはそれで、仕方ないか。それだけ、作品に魅力が無いということで、まさしくそれこそ、説難というものなのだろう。

 

 現在、ネット上での販路を模索している。

 注文数が多いほど単価が下がるが、大幅な赤字販売なので、30~40冊くらいが限界だろう。それに、ある程度購入者というか「欲しい」と思ってくれる人の数がカウントできていないと、発注には踏み切れない。従って、旅行の予約のように「最少催行人員」と言う条件を付さざるを得ない。

 そういうわけで、販路となるサイトは、①ブログへの誘導が容易で、②欲しいと思ってくれて、かつ最少催行人員が揃うまで待ってくれる人を募り、③実際、売買取引が可能なサイトということになる(今のところ有力視しているのは、Noteというサイトである。)。

 

 ちなみに自費出版と言うものはどういう仕組みなのかよくわからないが、前述の出版社の方の話では、30冊出版するだけで三百万円かかるそうだ。なんでそんなに費用がかかるのかわからないが、多くの人に読んでもらおうと思えば、商業出版しかないわけである。

 従って、この小さなチャレンジが成功すれば、その実績を乗せて、再度別の出版社に、商業出版を前提に検討してもらう形で、原稿を提出する。その結果、思いが叶うとなれば職場に届け出を出す。というのが、最高のシナリオだ。

 まぁ事はそううまく行かないだろうが。安物の印刷機で印刷した表紙を切り貼りして作った物なのに、その完成品のイメージを見ていると、やはり多くの人に読んでもらいたいと言う気持ちが抑えられないのである。 

 

 先日、50を前にして、プロ野球にトライアウトしたが、惜しくも採用されなかった、元プロ野球選手新庄剛志選手は、無謀と言われるチャレンジほど楽しんでいたという。そして、落ちたとき、きっと「ざまあ見ろ。」の嵐を受けるだろうと覚悟していたのだが、むしろ称賛の声が多かったことに、またチャレンジすることの素晴らしさを獲得した、という。

 私も彼のチャレンジを応援していた一人なので、この世間の反応は嬉しい。

 

 この話と、冒頭の紅白出場のアーティストたちの思いが、宣伝のような本稿の投稿において背中を押してくれた。

 彼らほどのポテンシャルも無いし、努力も全然不足しているが、「蟻の一穴」でも、掘らなければ・・・ですものね。

 

 今年は、先に片づけなければならない目標が2、3有り、どうしてもこちらは疎かになるが、前述の販路となるサイトが決定次第、本ブログに投稿するので、興味のある方は、是非アクセスしてほしいと思う。